株式会社・合同会社

会社その他法人の設立

 

会社の種類

 

 会社の種類には、株式会社・合同会社・合名会社・合資会社の4つがありますが、出資者(株式会社の場合は、「株主」)がその出資額を限度としてのみ責任を負う(「間接有限責任」)とされるものは、株式会社と合同会社の2つとなります。したがって、新規の会社設立は、ほとんどが株式会社と合同会社で占められているのが実状です。

 下表は、会社法の改正で合同会社が新設された平成18年以降の種類別新規設立件数になります。

株式会社 合同会社 合名会社 合資会社
平成18年  76,570 3,392 86 1,001
平成19年  95,363 6,076 52 490
平成20年  86,222 5,413 48 414
平成21年  79,902 5,771 31 312
平成22年  80,535 7,153 29 199
平成23年  80,244 9,130 40 250
平成24年  80,862 10,889 60 131
平成25年  81,889 14,581 84 105
平成26年  86,639 19,808 93 104
平成27年  88,803 22,223 119 93

(*「法務省 登記統計」参照。)
なお、平成18年5月1日以降、株式会社や合同会社と同様に有限責任会社として存在していた旧有限会社法に基づく旧有限会社の制度は廃止され、会社法上の“株式会社”として扱われること(「特例有限会社」)となりました。

 

株式会社と合同会社の異同

 

 株式会社と合同会社には、間接有限責任という特徴のほか、出資額は1円でも可能(*ただし、許認可手続の必要な事業など、資本金の額が一定以上であることが必要な場合もあります)、役員にも社会保険の加入義務がある、会社固有の節税対策などの共通点が挙げられます。

 しかし、以下のような相違点もございます。

 

⑴所有と経営の関係

 株式会社においては、原則論として、会社のオーナー(所有者)である「株主」と経営者である「役員」は分離されていますが、合同会社においては、出資者である「社員」は業務執行権を有し代表社員となるのが基本型であるため、所有と経営は一致しているのが原則です。

 

⑵会社の機関

 株式会社においては、会社の意思決定機関として株主総会を設置し、実際に会社の経営を行う取締役を1名以上選任(取締役会設置の場合は、3名以上選任し、かつ監査役も設置)する必要があります。合同会社においては、株式会社のような法定機関の設置義務はありませんが、定款で任意に規定することは自由です。

 

⑶内部自治

 ⑴⑵を踏まえ、株式会社においては、取締役による業務執行や重要事項についての株主総会決議による意思決定など、法律上の強制規定の妥当する範囲が広くなっています。合同会社においては、重要事項については社員全員の過半数の一致により意思決定を行うなど、内部的規律については原則として定款で定めることができ、定款自治の範囲がとても広いことが特徴です。また、利益や権限(議決権もしくは承諾権等)の配分についても、株式会社においては出資比率に応じて変動することが原則ですが、合同会社においては、出資比率に関係なく社員平等を原則とした上で、定款自治により自由な取り決めが大幅に認められることになります。

 

⑷役員の任期

 株式会社においては、取締役の任期は、原則として、選任されてから2年以内(監査役の場合mは、4年以内)に終了する最後の事業年度に関して決算承認の決議がなされた定時株主総会が終わるときまでとされ、任期終了後に引き続き取締役等を務める場合においても、(「重任」の)登記手続は必要となります。合同会社においては、業務執行社員・代表社員に任期の定めはなく、定期的な変更登記の手続は必要ありません。

 

⑸設立費用

 株式会社においては、登記手続に係る登録免許税が最低額は15万円となり、他にも公証役場での定款の認証手続に係る費用は9万円(電子定款の場合、収入印紙代部分については不要)ほど必要となります。合同会社においては、登録免許税は最低額は6万円であるほか、そもそも定款の認証が不要であるため認証手続に係る費用は生じません。

 

⑹持分の譲渡

 株式会社においては、持分(「株式」)の譲渡は原則として自由です(非公開会社を除く)。合同会社においては、原則として、業務執行社員の持分の譲渡は社員全員の承諾が必要となり、業務執行社員以外の持分の譲渡は業務執行社員全員の承諾が必要であるなどの制限がかかります。

 

*上記のほか、自己持分の取得、決算公告の義務、株式公開、資本金額の減少、利益配当における純資産額(300万円)の規制などの面にも相違点があります。
 
 

合同会社のすゝめ

 

 「社会的認知度」という点では、断然、株式会社の方に軍配が上がります。しかしながら、合同会社にはその点を補って余りあるメリットが見出せます。とりわけ、以下を念頭に置かれている方には合同会社はおススメです!

 

1.設立費用を抑え、手っ取り早く設立したい

 

 合同会社においては、そもそも定款の認証が不要です。また、出資金の払込を銀行等の金融機関口座宛に行う必要もなく、金銭以外の財産による現物出資の場合における検査役の検査も不要となります。さらに、登記手続における登録免許税も6万円(最低金額)ということになりますから、設立時のコストは、株式会社と比べて格段に低く抑えることが可能です。

 

2.維持費用を抑え、定期的に生じる手続を減らしたい

 

 合同会社においては、取締役・株主総会等の法定機関が不要となっており、また、業務執行社員・代表社員といった役員には任期がないため、議事録の作成や定期的な変更登記が必要となるわけではありません。さらには、決算公告の義務もないため、維持にかかるコストも、株式会社と比べるとかなり抑制できることになります。
 

3.簡易迅速な意思決定で機動力ある会社経営を行いたい

 

 合同会社においては、前述のように取締役・株主総会等の法定機関が不要であることから、社員(もしくは定款で定めた業務執行社員)の過半数の一致という簡易かつスピーディーな意思決定により、機動力の高い会社経営を図ることができます。なお、業務執行社員が1人の場合は、「決定書」を作成するのみとなります。

 

4.出資者間で自由かつ平等に内部事項を取り決めたい

 

 合同会社においては、そもそも出資者同士の人的結合の強さを重視することから、対内的には組合的規律が適用され、原則として、社員全員の一致による広範な定款自治により、自由な取り決めを行うことができます。また、出資比率に関わらず平等な(同意・承諾等の)権限や定款自治により出資比率とは異なる損益の分配の取り決めも可能です。

 

*上記のほか、営業上は社名を前面に出さずに行う事業において、節税目的で会社を設立したい場合などにも有用です。

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